司法書士に相続登記を依頼するメリット2 相続登記漏れを防ぐことができる

前々回からの続きになります(この記事だけ読んでもらってもかまいません)。

「相続登記漏れを防ぐことができる」これは私が考える司法書士に依頼する最も大きなメリットです。逆に言えば、ノウハウがない一般の方がご自身で登記をする場合に、大きなデメリット、リスクを抱えているということでもあると思います。

もし故人名義のままになっている不動産が数十年経ってから判明した場合、そのときには相続人が疎遠になっていたり、さらに次の相続が発生して相続人が増えていたりして、再度相続登記をすること自体が大変になってしまいます。漏れていた場所が家を利用するうえで絶対に必要な私道や水路だった場合、そのままでは家の売却自体ができなくなってしまいます(これは現在進行形でかなり頻繁に起こっている例です)

所有している物件は、毎年春に送られてくる固定資産税の課税明細書に載っていと思われがちですが、本当に「全部」載っているかというと、そうではない場合もかなりあります。例えば、三次市であれば非課税の物件も課税明細書に載せてありますが、広島市など市町村によっては載っていないところもあります。また、他人と共有している物件は、本人が所有している物件の台帳とは別の台帳で管理されており、共有者のうち代表の一人にしか固定資産税の請求と課税明細書は送られてこないため、他の共有者はその存在自体を忘れている、ということがよくあります。さらに、私道やゴミ捨て場の共有持分の場合、そもそも課税されておらず、誰にも課税明細書が送られていないこともあります。
さらに極論を言うと、市町村の課税係も把握していない物件が存在する可能性すらあるのです。市町村はあくまで固定資産税を徴収することを責務としており、市民の所有物を管理してくれる立場ではないからです。

上記のような危険性があることから、司法書士はとにかく様々な角度から色々な方法で、故人名義の不動産の存在を調べつくします。逆に、依頼者から預かった課税台帳だけを信じて「それしか依頼されていないから」とそれだけ登記をして完了している司法書士(そんな人はいないと信じたいですが、多分います)は危ないと断言できます。依頼者から入力された内容を出力する類のインターネット上の書類作成サービスももちろん同様です。

ただ残念なことに、どんなに司法書士が調査の手を尽くしても100%相続登記漏れが防げるわけではないというのも事実です。家から遠く離れていてどこにあるかわからず、市町村の課税係も把握していない・検索しても出てこないような土地があったり、他の市町村に課税されていないような不動産のみを持っていたりした場合、事前に情報がないと発見しようがないのです(※)。

それでも、ノウハウのある司法書士に依頼することで、相続登記漏れをかぎりなく0%に近づけることはできます。より安全でベストな選択肢(保険的な作用)として、相続登記を司法書士に依頼する、というイメージを持っていただければ幸いです。

(※)どうしてこのような問題が長期間放置されていたのか、今後国がどう解決していくのか、という話もしたいのですが、長くなるので別の機会で触れたいと思います。