不動産が大昔の祖先の名義になっていても、諦めるのは早い

当地(三次市や県北部)では、ずっと相続登記がされていなかったり、何らかの理由で一部だけ登記が漏れていたりして、明治・大正時代の人の名義のままになっている不動産が決して珍しくありません。
一見「これはもう相続登記は無理かもしれない」「できるとしても相続人が何十人もいてすごく手間と費用がかかるかもしれない」と思われがちですが、実は戸籍をちゃんと調べてみるとそうでもなかった、というケースは意外と多いのです。

その理由は、昭和22年5月2日以前に発生した相続は、「家督相続」である可能性が高いからです。家督相続とは、戸主(=一家の主)の死亡・隠居等によって、次の戸主(だいたい長男)に単独で全財産を相続させる、旧民法の相続制度のことです。昔は戸主が不動産の所有者になることが圧倒的に多かったため(※)、その権利も次の戸主に単独で引き継がれているケースが多いのです。また、家督相続があった旨は戸籍に記載されているため、他の書類を探したりする必要もありません。

例えば明治時代に死去した曽々祖父名義の不動産が見つかったとしても、戸籍を調べた結果、下図のようになっていたとします。

このように昭和22年5月2日以前に発生した相続が全て家督相続で、それ以降の相続は1回しか発生していないとすると、相続人はAさんとBさんの2名しかいないことになります。しかもこの場合の相続登記は、1件の申請だけで完了します。

都会で司法書士をしていても家督相続に触れることはほとんどありませんが、当地・当事務所ではかなり頻繁に取り扱うことがあります。大昔の祖先の名義になっている不動産があっても安易に諦めず、気軽に当事務所まで相談していただければ幸いです。
直系尊属(真上の方向の祖先)の戸籍を調べる場合、そんなに費用もかからないことが多いので、とりあえず調べてほしいというだけのご依頼でも大丈夫です。

(※注)
戸主でない人が名義人であった場合は、家督相続ではなく「遺産相続」という相続の形になります。これは現在の相続の形に少し近いもので、相続人がかなりの数に及ぶ可能性が高くなります。